DDG4_main “私たちがまったく持ち得ないものが、圧倒的な存在感を持って目の前で展開されたとき、言葉を失うほど感動してしまう。”

「私たちがまったく持ち得ないもの」とは、彼女たちが紡ぎ出すリズムとグルーヴ。「ブラジルでは、各地でいろんなリズムがあると思うけど、それらのリズムは、どうやって身につけるの? 親から習うの? まさか学校で習う訳じゃないだろうけど。」この問いに対して「それは生まれたときから、そこにあるもの。まったく意識せず、赤ん坊のときから少しずつ言葉を覚えるように、いつの間にか身に付いているものだから、習ったことは一度もない。」という ダニ の答えだった。そうやってまったく自然に身に付いたリズム、その過程とバックグラウンドこそが「私たちがまったく持ち得ないもの」であり、私たちが持ち得ない故、新鮮な驚きと憧憬を誰もが持ってしまう。

ふつう複数のアーティストが演奏するときは、ドラムとベースなどのリズム隊が基盤となり、それに鍵盤、弦、吹奏などの楽器、ヴォーカルが重なっていく。だが、彼らは、それぞれが基盤であると同時に展開者でもあり、それが一体となりシンクロしていく。スタジオでの録音が、すべて「一発録音」である理由が彼らのステージに接すると深く理解できる。「一発録音」でなければ、彼らの真のスタイルと魅力は表現されないのだ。一体『感」ではなく本当に「一体」となった演奏。スリリングな展開とともに目の前で繰り広げられる音のコミュニケーションには、くもりや不安が一点も存在せず、全員が瞬間瞬間を心から純粋に楽しんでいる極めてクリアなグルーヴであり、それぞれが音の言葉を発すると同時に他のメンバーの音に身を委ね、オーディエンスも身を委ねるように、自然に身体を揺らしてしまう。彼女たちが持つ、家族への愛、仲間への愛、郷土への愛、そして音楽への愛に包まれながら。

デボラ のピアノは、想像以上に素晴らしく、ブラジリアンならではのスタイル。ダニ のヴォーカル、ドラムの チアゴ、シジエルのベースとデボラのテクニックは極めて高度であり、前述のように自分たちのバックグラウンドと愛に裏うちされた、しっかりとした演奏だった。そして、そのスタイルは、世界で進行している「今」のジャズ・シーンとリンクし、とてもソフィスティケートされている。

終演後も言葉にならない感動と熱狂の余韻につつまれ、翌日には SNS上で絶賛するコメントがあふれた。RePublik: では、福岡での公演というお話をいただいたときに「そのアーティストと音楽を福岡で紹介する意味があるか?」ということをいつも自問自答する。ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテートは、まさに福岡で紹介する意味が十二分にあるアーティストと音楽だった。正直に告白すると、生のステージに接するまでは、彼女たちの本当の魅力を理解していなかった。では、なぜこの公演を開催させていただくことになったか? それは、尊敬し、持ってらっしゃる感覚とセンスを深く信頼する café vivement dimanche マスター・堀内隆志氏が全面的にプロデュースされているからに他ならない。人と人のつながりが素晴らしい音楽を伝搬し、そして素晴らしい音楽が人と人をつなげて行く。この循環サイクルの中に身を置かせていただいていることの幸福感を深く感じる夜だった。

ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテート が牽引する現在進行形のブラジル音楽シーン “Novos Compositores” (ノヴォス・コンポジトレス) では、デボラ の門下生である若いアーティストたちが、活躍の場を広げ、大きなウネリとなって行くであろうことを、予感させる公演だった。このシーンの今後の展開が、とても楽しみだ。

これからも ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテートの活動に注目するとともに、心から応援したい。今後来日の機会があれば、ぜひ再び福岡に来て欲しいと、心から願っている。

最後に、ご来場いただいた方々に深く感謝するとともに、サウンド・エンジニアの江島正剛氏、調律師の越智雅之氏、ランブリング・レコーズの皆様、お手伝いいただいたRePublik: クルーに感謝します。素晴らしいアーティストと音楽をご紹介いただき、わざわざ福岡まで足を運んでいただいた堀内隆志氏に心からの敬愛と感謝の念を送ります。

そして、Dani & Debora Gurgel Quarteto へ、Muito Obrigado !
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The greatest praise, the sincere thankfulness and Obrigado to Dani and Debora Gurgel Quarteto. Hope to see you soon again in Fukuoka.
Dani & Debotra Gurgel Quarteto Official Site : http://www.ddg4.com.br/

Special thanks to :
Takashi Horiuchi – café vivement dimanche, Rambling Records, Seigo Ejima – Jabara Club, Masayuki Ochi – Ochi Piano Tuning Laboratory, Yoshie Umeda, Kaori and Tsuguto Kawazu – Republik:

《Photo by Dani Gurgel and Masayoshi Kawasaki – Republik:》
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ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテート
New Album “Luz-光” リリースツアー2014 福岡公演
公演日 : 2014年 9月 24日 (水)
出演 :
Dani Gurgel, vo.
Debora Gurgel, pf.
Thiago Rabello, dr.
Sidiel Vieira, ba.
会場 : アクロス福岡円形ホール
主催 : Rambling Records, RePublik:
協力 : café vivement dimanche, Love FM
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