yani_main 音楽を聴いていると、いい時代になったなぁ、楽しい時代になったなぁ、なんて素直に思います。ポジティヴな意味でのグローバル化というか、「え、こんな国から、こんな音が出てくるの?」とか、異なる地域から空気感を共有しているような音が同時に出てきたり。僕らが以前担当していたラジオ番組 “music for quiet life (ミュージック・フォー・クワイエット・ライフ)” のテーマのひとつは「ジャンルや国境を越え」というものでした。まあ、考えてみれば、そもそも国境というものは「国家」が勝手に線引きしたものであって、音楽などのカルチャーはそういう線引きを軽々と乗り越えて人と人をつなげてくれるから、僕たちは希望を持ち続けられる訳ですね。

前置きが長くなりましたが、この “Bubble Station (バブル・ステーション)”は、 ベネズエラ出身、マドリッド在住の SSW、Yani Martinelli (ジャニ・マルティネッリ) の 2nd アルバム。この音を聴くと、アメリカ西海岸、特にカリフォルニアのアーティストと、誰しも思ってしまうでしょう。彼女が影響を受けたのは、60′s。70′s のポップ・ミュージック、フォーク・ミュージック、ボサノヴァ、サイケデリア、そして Sunshine Pop (サンシャイン・ポップ)。僕は、この “Sunshine Pop” という言葉を知らなかったのだけれど、まさに言い得て妙の表現ですね。ジャニの音楽からは、ランバート & ナッティカムやビーチ・ボーイズ、そして A&Mレーベルを代表とするチェンバー・ポップを含むカリフォルニアの陽光が輝く音楽の影響が深く感じられます。

これは2012年の自主制作盤。肩の力が抜けてとてもアット・ホームな雰囲気に満ちています。スペインらしい叙情感が少しだけ込められたアコースティック・ギターを軸に奏でられるサウンドは、フェアリテイルなジャニの唄声がセンス良いハーモニーのコーラス・ワークに絡み、コード進行とベルやヴィブラフォンのような音を加えたアレンジがとてもドリーミー。インストゥルメントとコーラスだけのナンバーも適度にちりばめられているところにも洗練されたセンスの良さが光り、すべての曲がドラムレスだからでしょうか、心に優しく響き、夢見心地の穏やかな気持ちにさせてくれます。一つ一つの曲とメロディが印象的に心に響く上質でナチュラルなアコースティック・ポップ・アルバム。この気持ち良さに、ぜひ触れてみてください。
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Yani Martinelli “Bubble Station”
(ジャニ・マルティネッリ – “バブル・ステーション”)
自主制作盤 (2012年、スペイン)

Track Listing : (全曲試聴可)
01. La Casa
02. Early Bird
03. Mandy’s Party
04. Venturada Sunset
05. Purple & Yellow
06. Coconut Lime
07. Elsewhere
08. Happy Bubble Blues
09. Bye to the Clown
10. Medina
11. Bear that escaped from circus
12. Ginger Cookies
13. Bubble Station (free) 05:40