hanging_main 「機会があれば、今すぐCD化したいアルバムは?」もし僕がそんなことを聞かれたら、きっとこう答えるに違いない。「2013年に発売されたHanging Up The Moonの『The Biggest Lie In The World』。リリースはアナログとデジタル・データのみ、しかもLPは世界でたった400枚程度しかプレスされていないのはあまりにも勿体無い」。

Hanging Up The Moonは、以前はConcave Screamというバンドで活動していたシンガポールの音楽家、Seam Lamによるソロプロジェクト。本作『The Biggest Lie In The World』はこの名義によるセカンド・アルバムだ。

決して歌い上げることのない内省的なボーカルと、70年代のSSWを彷彿とさせる、どこか懐かしさの漂うメロディライン。そして、丁寧に紡がれるギターのアルペジオがやがて臨場感溢れるバンドアンサンブルへと昇華していくサウンドスケープに、思わず引き込まれる。フォーキーなシンガー・ソングライターが心に宿す繊細さと、かつてのシカゴ音響系のような肉体性=ライヴ感。二曲目の「Tiny Movements」を筆頭に、その絶妙なバランスが独特な世界観を作り上げている至福の一枚だ。

発売元は同じくシンガポールで活動する男女ユニット、Aspidistraflyが主宰するKitchen. Label。4/24に福岡公演を行うharuka nakamuraのアルバムもリリースしている気鋭のインディレーベルだ。他とは一線を画す、センシティヴで素晴らしい作品が並ぶだけに、本作『The Biggest Lie In The World』にも今以上に光が当たることを僕は願って止まない。

- RePublik: 河津継人
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Hanging Up The Moon “The Biggest Lie In The World”
レーベル:Kitchen. Label
リリース:2013

Track listing :
01. Pedestrain
02. Tiny Movements
03. Last Call
04. Throwing Stones
05. Pandora
06. We Are
07. Flock
08. Nuclear
09. A Distraction
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