naim_cover「アリゾナの砂漠に降り立ったパリジャン」という一文を目にしただけで何かグッとくるものを感じてしまった。

はたして、冒頭の “Creole” を聴くとピックが効いたエレキ・ギターのイントロからパーカッシヴで軽快なリズム・セクションの上に、ヨーデルと口笛!ヨーデルと口笛に弱いんです。この音を聴いた瞬間、まさに、ど真ん中、ストライクでした。ボードレールの詩に曲をつけた 2曲目 “Le Revenant” はエキゾティックなフレンチ・ボサノヴァをバックにセルジュ・ゲンズブールを彷彿とさせるナイームのヴォーカル。彼はインタビューで「ゲンズブールの影響はフランスにいると免れ得ない」と語っています。そして、3曲目はタイトル曲”Dansons”。リゾート感あふれるフレンチ・サンバにまるでアンリ・サルヴァドールのようなヴォーカル。トレモロ・アームにディストーションが効いたギターもごきげんです。4曲目 “The Day After” は、やはりリゾート感あふれるフレンチ・サンバにナイームのハミングのみ。間奏のミュゼット風のアコーディオンとストリングスの絡みが実にスリリング。少しずつ音が減っていくエンディングもナイスです。5曲目は、フォーキーなサウンドにオーボエが絡み、9曲目、エミリ・マルシャンとのデュエット曲 ”Our Day Will Come” も最高です。久しぶりに、アルバムを通して全曲実に聴き応えがある作品と出会いました。

パリ生まれのナイームは、1997年にスパゲッティ・ウェスタン風味のフレンチ・ボッサ &  ポップスを携えて、アリゾナ州ツーソンに舞い降ります。「パリとアリゾナ」。このミックスが、とても魅力的でエキゾティックなスタイル、どこか卑猥でいかがわしいようでありながら優雅でスタイリッシュな独特の世界を創造する鍵となったに違いありません。

デジタルではなく、全曲アナログ・テープを使った録音。録り直しできないため 1テイク、1テイク集中したらしい。このため、バック・ミュージシャンは、テクニックがある凄腕を揃えたとのこと。ところで、このジャケットもとても好きなのですが、オリジナル盤は赤いユリ、そしてこの日本国内盤は、赤いツバキになっていて、このストーリーも知りたくなりました。ジャケット裏面は、初期のウォーホールを思わせるアートワークですね。

「リゾート感漂うアメリカ経由のブラジル風フレンチ・ポップス」の名盤。
ぜひ聴いてみてください。

naim_backアーティスト :  Naïm Amor (ナイーム・アモール)
タイトル :  Dansons  (ダンソン)
# SDCD-011 / 2012年9月15日

Tracks
1. Creole
2. Le Revenant
3. Dansons
4. The Day After
5. Time Is Real
6. On Se Tient
7. The Other Step
8. Son Grand Sourire
9. Our Day Will Comee
10. Sparkling Guitar
11. Waltzsamba
12. Si Tot

アーティスト・オフィシャル・サイト - http://www.naimamor.com/

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